Skying 4S k y i n g 4俺は負けない。 廊下を歩く。 そんなに俺が憎いのか。 そんなに俺がうっとうしいのか。 そんなに俺が目障りなのか。 ・・・まぁ、まずクラスで家で起こった事を話すべきだろう。 俺は自分のクラスへ急いだ。 そういうわけにいかないだろう。 だけど、俺はなんとしても勝つ! 先生は公平の立場として、どちらの味方にも、 つかないことになった。 前方にはクラスメイト30人。 クラスメイトが見る先は、この俺だ。 みんな俺を睨んでいる。 「質問は1人2回まで」 そろそろ始めるか。 「俺の家で起きた事件についてこれから話す」 その前に、早速質問がきた。 「異議あり!その前に自分が刺していないという根拠を言って下さい」 いきなりか・・・まぁ、いい。 思いのまま言ってやる。 「事件が起きたのは深夜0時頃。俺は何度も起きたり寝たりしていた。 その時、不思議な夢を見て気がついたら刺されていたんだ」 しまった・・・根拠がない・・・。 「根拠を具体的に答えてください」 う~ん・・・ええぇい! 「そのときはよく覚えていないんだ!だいたいなんでそんなに俺ばかり責められなければいけないんだ!さては・・・犯人はお前か!」 犯人という言葉におびえたのか、そいつは質問をやめた。 「十分です。次の人どうぞ」 なんとしてでも冤罪だってことを証明してやる! 15分後-・・・ 「なら、お母さんとの信頼関係は普通だったんだね?」 「そうだ・・・そんな親不孝な事をするわけがない」 疲れ果てている俺・・・。 30人中28人の質問を受けて今、29人目が終わった。 みんな俺を疑わなくなったな・・・。 次で・・・終わりだ。 「さぁ・・・次の質問は?」 最後の奴だ。 「・・・いつも青空を見上げているのは何故ですか?」 は・・・・・? 俺はすかさず、 「先生!関係ないんじゃないんですか?」 「うむ・・・質問者は質問の趣旨を答えてください」 すると、そいつは予想外の事を口にした・・・! 「銀二君、空の上には何があると思いますか?」 ・・・関係ないだろ。 まぁ、質問だから仕方ないか。 「空の上はオゾン層があると思うけど」 「そうじゃなく・・・て」 「何が言いたいんだよ」 俺はハッキリいった。 そいつは席を立ち、黒板になにか書き始めた。 「人が死ぬと、逝くという字になりますよね」 確かにそうだ。 「それで?」 「つまり・・・」 教室中に強い風が入ってくる。 「つまり・・・上を、空を見ているという事は・・・」 嫌な予感がする。 でもこいつは何を言っているのか分からない。 「フランダースの犬を見たことがありますよね?」 「あぁ、うん」 「主人公の最期、 天国につれていく天使の降りてきた方向は覚えてますか?」 「上だな」 不思議な奴だな、おい。 「心理上、同じようなものばかり見ていると真似したくなるんですよ。 こう書くと、分かりやすい」 黒板にまた書く。 「上→空→好奇心(死ぬとどうなるか)→殺意→実行」 周りから「おぉ~」という完成が上がる。 「違いますか?銀二君」 ・・・たしかに言ってる事はおかしくないかもしれない。 だけど、俺は殺していない。 ここは・・・逃げるか。 「先生!こいつ何回質問しているんですか!」 「おっとそうだった。席に戻りなさい」 「・・・仕方ないですねぇ」 危ないところだった。 みんなこいつの意見に納得しちまった。 これから弁解するのはきついだろうな・・・。 だが・・・まだ負けない。 なんでだろう。 なんで自分の親を俺が殺さなきゃいけないんだ。 普通は自分の親を刺すわけないだろう。 なんでみんな分かってくれないんだろう・・・。 なんで? どうして? 理由は? まったく・・・。 もう、帰りたい。 次の朝、 俺は病院に行った。 母さんは変わり果てた姿で1人黙っていた。 犯人は分かったような気がする。 ・・・たしかに。 何故なら・・・母さんはまた・・・ ・・・・・・・・刺されていたのだった。 こんな簡単に人を殺せるのは俺が知っている中で1人しかいない。 でも、なんで・・・。 なんで気づかなかったんだろう。 ・・・・・くそっ。 俺は無風の病室から抜け出して、家へと急いだ。 -Skying Next time is- -あとがき- 第4部も終わってしまいましたか。 次回でラストの予定です。 なんかかなり暗い小説になりつつあるので、 最後はしっかり考えて書きます。 もちろんページ増量で! さぁ、次回は1500アクセス突破確認後、やりますよ。 |